学科・専攻長のあいさつ 〉

Your Energy, Your Future
私たちの文明社会を支えるうえで最も重要なものは何でしょうか?


学科長・専攻長                 山本 章夫

 今の便利で快適な生活環境を皆さんの子供や孫の世代が享受できるか考えたことがありますか? 普段は、今のような快適さが続く、あるいはより便利な社会が出現すると無意識に考えているかもしれません。しかし、我が国は、一旦、原発事故や国際政情不安に伴うエネルギー危機が起こると社会が脆く崩れかねないことを経験してきました。

 エネルギー理工学科及びエネルギー理工学専攻・総合エネルギー工学専攻では、未来の社会をエネルギーの面で強靱に支えることを目指し、エネルギーを「創る」、「貯める」、「送る」、「効果的に応用・活用する」ための研究と教育を通じて、私たちのこれからの社会を健全かつ持続的に発展させていくことを目指します。

【教育】

学部1, 2年次では、主として基礎科学の知識の習得に重きを置くとともに、様々な分野の勉強を行います。3, 4年次では、学修を通じてもつ興味に応じて、さらに深く勉強するための講義を選択できる充実したカリキュラムを用意しています。大学院では、専門性の高い講義や演習,インターンシップによる教育を行うとともに,エネルギーに関する先端的な研究へ取り組みます。学部(エネルギー理工学科)と大学院(エネルギー理工学専攻・総合エネルギー工学専攻)のカリキュラムを一体で設計することにより、実社会で活躍するための知識とスキルを持った人材の育成を行なっています。さらに、エネルギー理工学科は募集人数が少ないことから、他学科に比べて学生一人一人に対して教員によるきめ細かい指導が受けられることも特徴の一つです。

【研究】

原子・分子レベルでの極微小な世界における新たな物質の創製・機能創発、エネルギーシステムの状態を正確に制御するための先進計測技術、光エネルギー・運動エネルギー・熱エネルギーなどを電気的エネルギーに効率よく変換するための革新的な材料・作動流体、プラズマの振る舞いの解明、核融合・核分裂を含むエネルギー発生方法の開発と安全性・効率性の向上、レーザーや加速器などを用いた量子ビームの発生とがん治療などへの応用、エネルギー資源の回収と再利用、廃棄物の処分、汚染物質を含む様々な物質の大気環境中の動きの予測など、ナノスケールからマクロスケールに至るマルチスケールでエネルギー分野の研究に取り組んでいます。

【進路】

学部卒業生の大部分は、大学院に進学し、修士課程や博士課程においてさらに勉強・研究を進めます。大学院修了後は、民間企業の研究職・技術職、あるいは大学を含む研究機関の研究職・教育職などに就職しています。エネルギーが関係しない技術分野は少なく、また、エネルギーという総合的な専門分野を勉強することで幅広い視野を持つことから、電力会社、ガス会社、重電メーカ、エネルギー関連産業など、社会のインフラストラクチャーを支える分野や、自動車産業、電機メーカなどの製造業、あるいは商社やIT関連企業など、幅広い分野で活躍が期待されています。

世界は、エネルギー理工学科及びエネルギー理工学専攻・総合エネルギー工学専攻で学ぶ皆さんの力を必要としています。

皆さんの力(Your Energy)が皆さん自身の未来(Your Future)を拓くのです。